「きっと、誰もが忘れられない式になると思う。周りには迷惑かもしれないけど……これくらい派手にやらないと私は」



初めて修ちゃんサンの穏やかな顔をした目から……



「真央を手放すことが……真央の幸せを祝ってあげる事ができないから」



そう言い切った瞬間。



一筋の涙が零れたように見えた。



一度瞬きをすると、それは見間違いだったけど。


彼がどれほど傷つき、それでも真央の幸せを一番願っている姿。


静かにコーヒーを飲む姿をもう見ていることが出来なかった。





修ちゃんサンが居なくなっても、私は席から立ち上がる事ができなかった。