私は拓海の後ろ姿に笑みを零しながら先に座って煙草に火を付けた。
「お待たせ」
コトリと置かれたマグカップからは喫茶店並みのいい香り。
ありがとうと言ってからマグカップを鼻先へ持って行く。
香りを味わおうと吸い込むと、横で笑う拓海。
「喫茶店でもやろうかな?」
「あはは。それはちょっと無理じゃない?」
「そうだな。奈央にしか淹れないから意味ないか」
さりげなく嬉しい事を言ってくれる拓海に笑顔でばぁかと返してから一口味わう。
「やっぱり美味しい」
「愛情たっぷり?」
「珍しいね〜どうしたの?」
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