｢真央のせいで修ちゃんサンと対峙して、彼が傷つくのを見るかもしれないんだよ。それでもいいの？｣
真央は私のように苦しんで欲しくない。
佐々木さんを選べば……
拓海と私のように出口の見えない迷路へ迷い込んでしまう。
｢浮気や不倫をするんだったら隠し通すんでしょ？真央がしっかりしないと、皆が傷つくよ｣
私に話した不倫の持論を思い出して。
｢……私のようにはならないで｣
――私の想いが真央に伝わりますように……
｢ありがとう｣
顔を上げた真央は……
泣いていなかった。
さっきまでの弱々しい雰囲気はそこになくて、私の知っている真央の表情になっていて。
