お弁当の使い捨て容器を袋に入れて口を縛ると、真央が事務所に持って行くからと一旦会議室を出た。


戻ってきてから社長と新入社員はエレベータの向こう側にある営業部の扉の前に立つ。


ドアの向こうでは電話の音や人の話し声が聞こえて、いよいよ自分の担当部署に足を踏み入れると思うと少しだけ体が震えた。


社長はなんの躊躇いもなくガチャリとドアを開けると、あちらこちらから「お疲れ様です」と声がかかっている。


緊張した面持ちの私達が入口前で固まっていると、後ろを振り返り手招きしていて。


畑中さんを先頭にゾロゾロと営業部の中へ足を踏み入れた。