シェーカーを取り出すと計った材料を入れ、ゆっくりとシェーカーを振る。
真央は煙草を吸いながら私の動作に目を細めていて。
黒いベストと黒い細身のパンツで、白いカッターを袖まくりしている私を最初見た時は驚いていたけど
『似合ってるよ』
そう言って笑ってくれた真央。
拓海との事は何も聞かずに、お客さんの居ない時は修ちゃんサンの話、お客さんが居る時は静かに2杯だけ飲んで帰る。
当時は程よい距離とその気遣いにどれだけ助けられたか。
『早くシェーカーを振る奈央を見たいな』
真央は今の私を見てどう思ってるんだろう?

