「あっ、初めてかも。何が入ってるの?」


「真央の好きなアプリコットブランデーとオレンジビターズとオレンジジュース」


「わあっ!飲んでみたい!」


「じゃあちょっと待ってね」



私はマスターみたいにお客さんの雰囲気や気持ちに合わせたものを作れるほど人間観察ができないし。


真央はいい意味で、私の練習台になってくれる。


自信のないものや、感想を聞きたいアルコール類を飲んでは、私を納得させる答えをくれる。



ホントはお金なんて貰いたくないのに、真央は律義に支払ってくれる。


そうしないと、お店に来られなくなるからと。