「藤井……」


「やめてくれよ!そんな他人行儀な呼び方」


耳を塞ぐ拓海は傷ついたような顔をしていて。



――それでも、これは私のけじめだから。



拓海にちゃんと伝えなければ。


私たちは一緒に居てはいけないんだと……



「他人なんだよ、私達」


「他人じゃない!」


「他人だよ。それに誰にも受け入れてもらえない関係なんだよ?」


「誰に受け入れてもらうんだよ?俺らの事、誰に遠慮する必要があるんだよ!」


「皆にだよ!」



思わず声を荒げた私にも拓海は怯まなかった。