彼と私の関係〜もう1つの物語〜




事務所のビルから10分ほど歩いた所に、花をたくさん飾ったオープンしてすぐだと分かるお店があった。


店員さんの元気な声を聞きながら2人掛けのテーブルに腰掛ける。


日替わりを2つ注文すると、互いに手渡されたおしぼりで手を拭いていた。



「そういえば高橋さんとランチするなんて初めて」


「1回ぐらい違う上司でも食事ぐらいしたっていいでしょ?」


「あはは。そうだね」



そこからは高橋さんの上原部長へのぼやきが始まった。



「でも、あの人はよく人と周りを見てるよ」



届いた蕎麦をすすりながらそんな部長を庇うような事を言っていて。