「同じ……だ」



さっきと同じ番号が表示されていて、もう一度電話に出る。


だけどやっぱり無言。



目についたオフィスビルの自動ドアを潜ると外のざわめきが嘘のように静かになり、電話の向こうに居る相手の息遣いをわずかに聞きとることができた。



「誰ですか?」



また切れる電話。



「イタ電?」



だけど会社用の携帯だし。


携帯を手にしたまま、着歴に残る番号にかけようか迷っていると……



「わっ!」



携帯が震えだした。