お盆休みが終わり、通常勤務のリズムへ戻り始めた頃。


外回り先から帰る電車の車内で携帯が震えた。


ディスプレイを見ると知らない電話番号。


ちょうど降りる駅に着いたので、電車から降りると怪訝に思いながらも通話ボタンを押した。



「株式会社△△の岡本です」


『……』



電話の向こうは静かで物音1つしない。



「もしもし?」



もう一度問いかけてみるけど、やはり何も反応がない。



「どちら様……ですか?」



プチっと音が鳴り、通話が終了した。



「……?」



首を傾げながらも携帯をポケットに入れる。


改札を潜り歩きはじめると、再び携帯が震えた。