「奈央」



片付けが終わった拓海が、私の横に腰を下ろした。



「……何?」


「俺は絶対に別れないから」


「……」


「奈央が言いだそうとしてる事ぐらい分かってる。だけど……」



両頬を大きな手で挟まれると、俯いていた顔を無理やり拓海へと向けられる。



「奈央の事、誰よりも大切で愛してるから」



そう言って抱きしめられた。



拓海の腕の中は心地よくて、その腕に存在に縋りつきたくなる。



これじゃダメなんだ。


私がしっかりしなきゃ……



「……うん……」



だけど、心は拓海を素直に受け入れていた。