『子供が出来にくくなったり、出来ても流産することが確率的に高くなるかもしれません』


『最悪は、子供ができなくなる方もいらっしゃるということを忘れないでください』



医師から突き付けられた現実。


それでも、この子を産む事ができないのは私のせい。


私が人の道から外れた事をしたから。


お腹に手を当てるのがなぜか癖みたいになっていて。



母性……



無意識に赤ちゃんを守ろうとする女性特有の本能なんだと。



「……あれは?」



兄の言葉に顔を上げる。



――どうして?


……そこに居るの……?



玄関前に立つ人物に目を見開いて立ち竦むしかなかった。