ここで…… 私が泣いちゃいけない。 兄にも迷惑をかけてるんだから…… ベッドから起き上がると、そのまま正座をして兄に深く頭を下げた。 「奈っ……」 「ごめん」 「奈央」 「迷惑かけて……ホントにごめんなさい」 こんな妹でごめんなさい。 赤ちゃん、ごめんなさい。 拓海、ごめんなさい。 ごめんなさい…… ごめんなさい…… 「奈央。もういいから」 頭を撫でてくれる大きな兄の手を感じながら…… 私はただ謝ることしかできなかった。