「結果が分かれば……連絡させていただきます」



家の電話で掛けていた兄は静かに受話器を置いた。



「しっかりしてるんだな、藤井さんは」



兄の第一声に私は驚いて顔を上げた。



「仕事の事は心配しなくていいからって。体調が戻るまで休んで下さいって言ってたぞ」



兄は電話の内容を話し始めた。


私は体調が悪くて、たまたま実家の近くにあった病院で血液検査をした結果、大きな病院で再検査をしてもらうという事になっていた。



「これなら少しぐらい会社を休んでも大丈夫だろ?」



兄は私を安心させるように微笑んでくれたけど、目は真剣で。