「6週目に入りました。おめでとうございます」
産婦人科の医師に告げられた。
兄も私も会社に体調不良と嘘を付いて有給を取った。
兄は待合室で待っていて、診察室には私だけ。
超音波でもはっきりと確認できたし、心臓の音も聞こえた。
私のお腹の中で子供が生きている。
――産みたい……
ドクドクと聞こえる心音に決心が鈍る。
産みたい……
産めない……
本心と現実が頭の中を回っている。
「どうかされましたか?」
医師からの問いかけに、私はゴクリと唾を飲み込んでから
「……産む事ができないんです」
目を瞑ったまま、現実を告げた。

