拓海が私を抱いてから1年。



相変わらず仕事は順調に営業成績を伸ばし、周りから藤井部長の片腕だと言われるようにまでなっていた。


私も拓海もお互い素顔を隠した。



――隠し通していた。


絶対にバレてはいけない。


――暗黙の了解だった。



彼と少しでも一緒に居たければ、社内での立場が大切で。


彼には帰る家があるから。


それが例え迎える人が居なくても。



それでも時々、彼は私の家の住人となる。


この1年で彼の私物が殺風景な部屋を占領し始めた。


スーツ、下着、私服、歯ブラシ。


そしてお揃いで買った数種類の食器。