――4月



私は友達より1年遅れで社会人になった。


そう、電話した会社に見事採用された。


なぜ中途採用の即戦力を欲しがっていた会社に採用されたのかは謎……?


だけど、なぜか私はこの会社に入社できたのは運命だと思っていた。



――それは……



面接の電話が終わり、携帯のボタンを押してパタンと閉じた。


まだ半分しか飲んでいないコーヒーに口を付けた時。


窓から見える人混みの中に……



――あの電車の彼を見つけた。



勢いよく立ちあがると、飲みかけのコーヒーをそのままに取りあえず鞄とコートを手にとって階段を駆け降りた。