腕が……


手が……


すぐ傍にいる彼を求めて、彷徨い……


彼の手に導かれて届いた場所を通り抜け、背中へと回す。



キスだけで体の力が抜け落ちて行く。


無意識でしがみついた彼の体はビクともしない。


下へ下へと下がる体を、彼の腕が支えてくれていて。



唇を合わせたまま息苦しくなった私は酸素を取り入れたいと口を薄く開いた。



私に侵入してきた彼の舌が中を動き回って。



――舌を絡め取られる……


その刺激が気持ちよくて。


このまま……


死んでもいい……


もう十分だから……


ありがとう……





――拓海さん……