入社して3年が過ぎ、彼との程よい距離に慣れてきた頃。


得意先へ向かう私の個人携帯にメールが届いた。


電車の中だったので、取りあえずそのままにしておいて降りてから確認する。



『今夜、時間ある?』



初めて、彼から私だけに送られてきたメール。


私はドキドキする胸を落ち着かせようと、人の往来がないホームの隅まで歩いたけど携帯を持つ手は震えていて。


返信ボタンを押してメールを作成する。



『あります』



たった4文字に……


5分を要した。



すぐに携帯が震えだし、そのままにしてあった受信画面を操作する。