『おめでとう会』の後からは、彼との距離が急接近したように思えた。


彼も今まで上原さんにしか言えなかった事を私達に話したせいで緊張の糸が切れたのだろう。


時々4人で飲みに行くと1人で抱え込むには辛すぎるからと呟き、少しずつ彼は本音を漏らすようになっていた。


だけど、決して奥さんの事を悪くは言わない。



――これは仕方のない事だからと。



彼の心の傷に思わぬ形で触れてしまった私の彼への想いは、際限がないんじゃないかってぐらい大きくなりすぎていて。


割り切らなければならない。


彼は私の上司なのだから。



今まで以上に何度も自分に言い聞かせなければ過ごせなくなってきていた。