『1人暮らしをするから、敷金と保証金と当面の生活費が欲しい』
妹の提案を兄は黙って受け入れてくれた。
ただ、1人暮らしをしても生活費や家賃は必要なわけで、このまま今のバイトを続けていても、正直生活ができない。
――とにかく次の働き口を探してからこのバイトは辞めよう……
へとへとに疲れた私は、駅の構内にある売店で求人雑誌を購入して家路に着いた。
兄と住んでいる家に帰宅した私は、適当に晩御飯を食べた後、自室に戻って買った求人誌をパラパラめくっていた。
『貴方にお会いできるのを楽しみにしています』
小さな文言になぜ目が止まったのか?

