｢バレたら？｣


｢ゲームオーバー｣



――ゲームオーバー？



首を傾げる私に、煙草の灰を灰皿に落とし｢私はね｣と続けた。



｢バレたら皆が傷つくと思うの。された側もした側も。だから手を引かないといけない。それがけじめだと思うから｣


｢真央って……｣



――過去に経験したことがあるの？



私の言いたい事が分かったのか、微かに首を縦に振った。



｢えっ！？｣


｢学生時代にね。あの時は完全にお互いが割り切ってたし、結局自然消滅したから｣



遠い目をした真央は何かを思い出しているように見えて。