彼の事をおくびにも出さないように、得意先で培った営業スマイルで真央を見る。


特に何も感じていないのか、彼女の表情は変化しなくて



「私はね、浮気にしろ不倫にしろルールさえ守ればいいと思ってる」


「ルール?」


「する本人達は自分達の責任だけど、周りの人を傷つけちゃダメだと思ってるの。相手を泣かしたらいけないって」



煙を吐き出す真央を凝視するしかできなくて。



「徹底的に浮気や不倫を相手に気付かれないように隠す。出来ないなら手を出しちゃダメ。自分の相手を切ってフリーになってからにしろって思ってる」