――彼の目にはこの景色がどんな風に映っていたんだろうか?
彼はこの景色の向こうにある何を見ていたんだろう……
『次は××駅』
彼を見送った駅のホームへ降り立つ。
――あの時なぜ追いかけなかったのだろう?
何度も何十回も後悔した……
ただ彼に会いたいと願った私は、××駅で出来るバイトを探した。
「寒い!」
電車の暖房が効いていたのだろう、ホームに降り立つと冷たい風が頬を撫でる。
首を竦めると足早に彼を見失ってしまった階段へ向かった。
バイト先の人間関係は最悪だった。
社員は仕事をすべてバイトへと押しつける。

