空に叫ぶ愛

私と若菜が教室に入る。
すると、バッと視線が二人に集まった。



「おはよー」
「うっす」
「おはよう!」



みんなが口々に挨拶する。
明らかに私に向かって。



「お、おはよ…」



きっと私の顔、ひきつってる。


それが自分でわかるぐらい、びっくりして笑えなかった。


そして、遠慮がちに近づいて来る人影。
それは吉村だった。



「昨日はごめん。その……大丈夫?」


えっ?


「だ、大丈夫…」



なに、この会話。



「………」


「………」



そして、なにこの沈黙。


……気まず。



「まあ、まあ!仲良くしよーや!なんか俺が休んどったうちになんかあったみたいやし?ハハハハ!」



翔のおどけた言葉がクラス全体の笑いを誘った。


そう。翔は昨日学校を休んでいた。