空に叫ぶ愛

目の前で先生が手をブンブン振っている。



「聞こえてるから」



私はそう言うとバックを置き、タオルを頭にかけたまま椅子に座った。


空の笑顔やさりげない優しさが私の頭をポワーンとさせる。


なんなんだろう……この気持ちは。



「島田ちゃん、顔赤いね?熱計ろうか」


「ん……」



先生から体温計を受けとるとり、脇に挟む。ピピッと鳴り、体温計を見ると……



「37度か…微熱だね。大丈夫?」


「大丈夫。ねぇ、先生」



紙に何か書いている先生に私は問う。



「捨てられた子犬を見るとどう思う?」