なんて言ったらいいかわからなくて。


ただ、彼女の言葉が素直に嬉しかった。



「本当の、友達になろう」



本当の、本物の、友達に。

簡単に壊れたりしない、固い絆で。


私は笑って見せると歩き出す。



「うん、本当の友達になろう!愛ちん、大好きぃ!」



後ろからいきなり若菜が抱きついてくるから私は転けそうになるのを必死にたえた。


満面の笑みの若菜。


そんな若菜を見ると私まで笑顔になる。



私も、大好き…



なんて、絶対に言わないけど。



きっと、若菜となら切れることのない強い絆が築ける。


そう信じて疑わないのは同じ痛みを知っているからだろうか。


それはわからない。


だけど、もう一度だけ〝友情〟の絆を信じてみよう。そう素直に思えた。



青い空の下。


私はこの新しい絆が途切れることがないように願った。



もう二度と傷つかぬように、と。