空に叫ぶ愛

クラスメイトも困惑した様子でその場面を見ている。


針積めた独特の空気。



「謝って!」


「だからぁ、嫌だって言っとうやん?」



若菜は何をそんなに謝ってと言っているのだろうか……?


いや、吉村達は若菜に謝らなきゃいけないことはいっぱいある。


だけど若菜は今までそれを口には出さなかったと聞いていたから。


ずっと、堪え忍んでいたんだと……


なのに急になぜ?



「私はいくら悪く言われたって傷つけられたってよか。でも……」



私は唖然とした。



「愛ちゃんのことを悪く言うことだけは許せん」



若菜…


グッと込み上げてくる熱い感情。自然と手に力が入る。


喉がツーンと痛い。



「愛ちゃんに謝って!」



泣きながら訴える若菜。胸がギュッとなる。


不恰好だよ、若菜。


でも、どうしてだろう?


すごく……


───かっこいい。