空に叫ぶ愛

そして空と他愛のない話をしていたら、いつのまにか学校についていた。


他愛の話って言っても、ほとんど空が話していて。私は時折相づちを打つだけだった。


上履きに履き替え、教室に向かう。


なに、アレ…


教室の前の廊下に人だかりができていた。


…嫌な予感がした。


空を見ると同じく空もこっちを見ていて、重なった視線を合図に二人は走り出す。


みんなは明らかに1組を興味本意で覗いている。


人がいっぱいで教室の中も見えないし、前にも進めない。



「ごめん、通して!」



私は無理やりにみんなの間を通る。


やっとの思いで教室に入るとそこには怖い顔をした若菜と若菜を睨み付ける吉村グループ。



「謝って!」と叫ぶ若菜。

「嫌だね……」と吉村が言う。




なにがどうなってんの?