「ざまぁ見ろ」
「死ねよ」
「学校来んな」
倒れ込んだ私に冷たくそう言い残し教室に入って行った熊本さん達。
友美は最後に悲しそうな瞳で私を見下げたあと、熊本さん達の後をついて行った。
あいつらが私に言った言葉達はあまりに残酷で冷たくて痛くて。
今でも胸をきつく締めつける。
しかも、誰一人として私に手を差し伸べてくれる人はいなかった。
これが人間のすること?
人間ってなんて冷たくて醜い生き物なんだろう。
“自分さえ良ければそれでいい”
この世界に思いやりはないの?
優しさはないの?
愛は、ないの?
私は静かに立ち上がり、荷物だけを持って教室を後にした。
気づくと家の前。誰もいない家に入ると妙な孤独感にさいなまれた。
部屋に入ると等身大の鏡が私を写し出す。それを見て一気に怒りが爆発した。
こんな顔じゃなかったら…!
ガシャン!!
思いきり鏡を倒し、鏡を割った。そして、ベッドにドカッと座る。
“人を簡単に信じてはいけない”
私は学校でそれを学んだ。ただ、それを学ぶために払った代償は大き過ぎた。
人を信じる心とたった一人の親友……
それがその代償だった。



