空に叫ぶ愛



──ガチャン!


乱れた息のまま家のドアを勢いよく開け、靴を荒っぽく脱ぎ捨てた。


そしてそのまま向かった先は洗面所。


洗面台の引き出しを乱暴に開け、中をまさぐり、取り出したのはカミソリ。


刃を勢いよく手首に当てた時、不意に動きをピタッ!と止めた。



「………」



鏡の中に映る自分を見る。


──…私、カミソリを持って何をしようとしてるの…?


ここまでのことを私は全て無意識のうちにやっていた。


一歩間違えて、あのままカミソリで手首を切っていたら間違いなく私は……



――死んでいた。



恐ろしい現実を見た私は力なくカミソリをポトッ…と落とした。


そして、力無く座り込むと顔を腕の中に沈めて激しく泣く。


しばらく泣いて、急に冷静になる頭。


あんな奴らのために、死んでなんかやらない。


そんなの、悔しすぎる。


明日、学校に荷物を取りに行く。

明後日からは学校になんか行かない。



あいつらがいる所なんて……───