空に叫ぶ愛


友美と目が合う…

そして、そらされた視線。

ドクンッと嫌に響いた胸の鼓動に心が痛い。



「う…ん…愛が、言ってた……」



え…―――

嘘…、でしょう?



なんでよ。なんでよ。なんでよ。


なんで、そんな嘘を…?


自分を守るため?

熊本さん達が怖いから?


……ふざけないで。


私は友美がいれば何も怖いものなんかない。

……友美は違うの?


友美は誰よりも心が綺麗で優しくて…

私はそんな友美が大好きだった。


なのに。


裏切らないでよ。

最後まで友達でいてよ。


…親友でいてよ。


信じられない。

なにもかもが歪んで見える。


――…もう、何も信じられない。


気付いたら私は泣きながら学校を飛び出していた。


全力で、

何もかも忘れたくて

走った。


けれど、何ひとつ忘れられなかった。


傷む心。癒しを求めて無我夢中で走った。


けれど、得た癒しはひとつもなくて。


フラッシュバックする“あいつら”の顔と言葉。


とどめを刺すのは決まって友美の「う…ん…愛が、言ってた」だった。


何度も繰り返される言葉。


走りながら、このままどこか知らないところへ行きたいと思った。






――死んでしまいたい、と生まれて初めて思った。