「あー!超めざわりなんだけどっ」
その由希の声が、言葉が嫌に耳につく。脳裏にひっついて離れてくれない。
だけど〝そんなこと言われても、どうも思わない〟なんて心の中で強がり、私は傷を隠す。
そうして心を正常に保っていた。
だって、強がっていないと私の心はズタズタになって壊れてしまう。
何より負けたくなかった。
弱いと思われたくなかった。
だけど、この時の私にも救いだったことが一つだけある。
友美は私の悪口をまだ一度も言ってなかったこと。
由希や明里と一緒にいるけれど、黙ってそばにいるだけだ。
ちっぽけでも、嬉しかった。
ちっぽけでも、救いだった。
――小さな希望だった。
だけど、いじめの輪はしっかりと確実に大きくなっていってるのも事実だ。
そして、私の小さな希望も大きな闇に飲み込まれてしまった。
友美…―――
もう、戻れない。
もう、戻りたくない。
――もう、誰も信じない。



