「おはよ、愛。昨日はどうだった?」
その友美の明るい声に私の体がビクッと反応する。
…怪しまれるじゃんかっ。
しっかりしろ、私!
「別に普通だったよ?」
平然に振る舞う。びっくりするぐらい普段と変わらず接することができたと思う。
それは、きっと本気で友美を失いたくないという証拠だ。
だって、大好きなんだよ。
だって、親友なんだよ。
……友美は。
だけど、神様は意地悪でした。
こんなに『運命』というドラマチックなものを心底恨むことは、きっとない。
決まっていた運命がこんなにも寂しいものなら、私は不幸な星のもとに生まれた可哀相なやつだ。
ねぇ。そうでしょ?
私じゃなくてもよかったはず。なのにどうして選ばれたのは私だったの?
――普通に過ごせれば私は何も望まない…
普通で良かった。
地味で良かった。
平凡で良かった。
だから、ぶち壊す壁も乗り越える山もいらなかった。
なのに…――――



