「ちょっと、待ちいよー」
私が翔の呼びかけに応えることはもちろん、ない。
あー、なんかイライラする。
気づけば右に空、左に翔が隣にいた。
「愛?どうしたん?」
「……どうもしてない」
相当イライラしてる私。
……なんで?
学校の門を抜けると再び翔が「あー!!」と大声をあげた。
もう、なにっ!
「あれ、原田と吉村達やない?」
「本当やん……って愛?」
気づけば体が勝手に原田さんとなんとかさん達のところに歩いていた。
信じられない。
これって本当に私なの?
原田さんとなんとかさん達の前に仁王立ちして立っているのも私?
「ちょっと!何やってんの!?」
って、聞かなくてもこの状況は立派なリンチだよね?
「島田さん…」
か弱い原田さんの声。
なんとかさん達はみんな顔がひきつっていて、これはなかなか面白い。



