だから。 「ごめ…ん……海……」 そんなに苦しまないで。 その深い傷を、悲しみを。私が消して、跡形もなく消してあげられたらどんなに…… どんなに。 「母さん……父さん……」 どんなに幸せなんだろうね。 「ごめん……」 ぎゅうっと握る手を額に当てる。 空は本当に自分が海くんを殺して、自分が悪いから両親から愛されないのだと思っているの? どうしてさっきから謝ってばっかなの…… 救い出したいよ。 私の愛だけじゃ救われない? ───…私の愛だけじゃ足りない?