空に叫ぶ愛

愛は病院内のベンチに座っていた。


俺、愛を探すのは得意みたい。

思わずこぼれる笑み。



「愛」


「空…っ…」



ほら、やっぱり。


───… 泣いとった。



「なんで泣きようと?」


「べ、別に泣いてないしっ」



嘘つけ。

じゃあ、その目から出よる雫はなんや。


素直じゃない愛の隣に座り、そっと愛の手を握った。



「俺にも話せん?」


「………ずるい」



ん?



「そんなこと言われたら話さなきゃいけなくなるじゃない」



俺の考えが見事に愛にバレていて、思わず笑ってしまった。


その通り。

俺は、ずるい……。