ため息を軽く吐き、教室に戻ろうと振り向いた瞬間に女の子とぶつかった。
「ごめっ…」
「ごめんなさいっ…!」
私とその女の子は同時に謝ったけど、何やら女の子は急いでいたようで、さっさと中に行ってしまった。
変な子。
なんて思いながら教室に入った。
――キンコンカンコン…
急いで席につくと、確か一時間目は数学って誰か言っていたことを思い出した。
黒板の前には、もう厚い化粧をした女性の先生らしき人がいて。
トントンと机を翔から叩かれた。
「あの数学の上木(ウエキ)先生ね、空とかイケメンばっかをひいきしよるんよ。な?空」
「うっさい。変なこと教えんな」
へ、へぇー……
女性の数学教師はイケメン好きか。
確か校長は頭がオカッパだったような…
それで、体育の熱血先生の浜田先生。
この学校は面白い先生ばっかいるんだね……
――ガラガラッ…
その時、古いドアが変な音を立てて開いた。
そこに立っていた女の子を見て「あ…」と私は小さな声をもらす。
……さっきトイレでぶつかった女の子だ。



