空に叫ぶ愛


「静かにせい!今から自己紹介してもらうけんね。よう聞いときんしゃい」



じ、自己紹介…


そうだよね。当たり前に考えて転校生が自己紹介するのは当たり前か。



「えっと…」



みんなの眼差しが痛い…

ジーッと私を見ているのがなんか嫌。



「島田愛です。よろしく…」



シーンとはしてないけど、ほんのりザワザワしているような雰囲気。


好奇の眼差しは、気にしない。



「じゃあ島田の席はあそこね」



先生の指している席を見ると、窓際の一番後ろとその前の席の二つが空いていた。


ど、どっち?



「あ、島田は一番後ろの席ね。はぁ、あいつはまた遅刻か?」



あいつ?


――ガラガラッ…


その時、教室の後ろのドアが開き「遅刻しましたぁー!」と勢い良く誰かが入って来た。



「え…」
「あ…」



二つの声はほぼ同時だった。