そして、その風は同時に彼の金髪もフワリと揺らした。



「そんなのって……おかしいよ」



え?

おか…し……い?



「異常だよ」



トンカチで頭を殴られたような、衝撃が走った。


その、長谷川ナイトの言葉を頭が断固拒否しているようだ。


異常……?

なにが異常なの……?


理解できない私はただ目を下に向けることしかできない。



〝異常だよ〟



その言葉は私と空の、愛の全てを否定するような最悪の言葉だった。