顔を手で隠している空に聞こえないように私はため息をもらす。 「別にいいよ。私、歩くから」 そう言って歩き出す。 そうよ。別に私は空に運んでもらおうなんて思ってないんだから。 ただ、道案内さえしてくれれば…… 「愛!」 ビックリして空の方を向く。 「はよ乗れ…」 空? 「無理しなくていいよ」 「無理なんかしとらんっ、はよ乗れって」 なんで? なんで初対面の私にそこまで… ――…優しすぎない?