空に叫ぶ愛

「で、どうしたん?」



翔は階段に座る私の横に座りながら言う。


いざ言おうと思うと、なんだか切なさがいっきに溢れて来て涙腺を刺激された。


なんで泣くの?

ほんと、泣き虫……



「ゆっくりでよかけん。ね?」



幼い子供をあやすように私の頭を撫でてくれる翔。


ごめん。

ありがとう。


しばらくして落ち着いて来た私は「ありがとう」と言って口を開く。



「あのね、私……空が好きで……」


「うん」


「すごくすごく好きで。…でも、若菜も空が好きみたいで」


「うん」


「で、空を諦めようって……空を避けてたんだけど。
この前、空に告白されて。嫌いじゃないのに嫌いって言って傷つけた…」



両手で顔を覆う。


背中をさする翔の手が、今の私にはすごくありがたく感じる。