空の目が悲しく下を向く。空の綺麗な目をこんな目にしているのは間違いなく……私だ。


掴まれていた手が力なく離された。



まるで、

見放されたみたいに……



悲しくて悲しくて。


それはきっと空も同じなのに。




「…そっか……」




空は笑っていた。


まるで「大丈夫だよ」って「愛は悪くないよ」って、言っているみたい。



……そんなの。


全て私が悪いに決まってんじゃん。



優しすぎるんだよ、空は。




「ごめん……」




そう言うと空は目も合わせず、私の横をスーッと通りすぎて行った。



ズキンッズキンッ…



私は崩れるように座り込み、階段の手すりに置かれた手の甲に額をつけ、大声で泣いた。




───終わった。




何がって?


初恋、ってやつでしょ……