「あれ…?また梨亜がいる…。
今日はどうしたの?」

「晴輝にカーディガン返しに来たのっ!!」

「あ、偉いね…ちゃんと言われた通り本人に返しに来るなんて。
今日はクリスマスイブだって言うのに…
梨亜には他に予定があっただろう?」

「そっ…それは…。まぁ…あったけど…。」

「晴輝の風邪が全然良くならないってことを梨絵さんから聞いたのかな?
だから…心配になってうちに来た…ってところ…だね。その顔じゃ…
晴輝、きっと喜ぶよ。梨亜のその気持ち知ったら…。」

「ちがっ…違うから!!
別にあたしはそんな気持ちで来たわけじゃないしっ…ただ…。」

「ただ?」

「あっ…あたしのせいでも…あるから…。晴輝の風邪は…。」

「梨亜のせい?」

「……。」




上手く言葉にならない。
言いたいことはあるのに…。



「梨亜のせいだなんて、晴輝はこれっぽっちも思ってないと思うけどね。
というかむしろ、こうやって梨亜が気にかけてわざわざうちに来てくれたことが嬉しいって思ってると思うよ。」

「…気にかけてなんかないもん。」

「じゃあ、そういうことにしておこうか。」