「はぁ?何バカなこと言ってんの!?
恋ってねぇ…『恋する!!』って決めてするもんじゃないんだから。」

「え?そうなの?好きになる人って自分で決めるんじゃ…?」

「あーバカバカ。知ってたけど梨亜ってホントバカ。」

「何よ那美だって彼氏いないくせに…。」

「いないけど、梨亜みたいにバカじゃないわよ。
ま、そんなに言うんならやってみれば?啓介さんに恋、してみればいいじゃない。
どーせできないと思うけどね?」

「はぁ!?できるってば!!
バレンタインだってチョコ渡すし!!
あたしが本気になれば何だって…。」

「あ、あれ…もしかして晴輝くん?」

「え?」








あたしは那美が指差した方を見つめた。

車道を挟んだ丁度向かい側。

確かにそこには…








晴輝がいた。