「とくに、お兄ちゃんには知られたくなかった。
絶対心配するでしょ?
お兄ちゃん、お母さんたちが死んでからずっと無理してるところがあるから。
その上、あたしのいじめまで気にしてたら、そのうち倒れちゃう。」
「凛ちゃん・・・。」
川嶋さんは、
心配そうなまなざしをあたしに向けてくれる。
こうやって見ると、川嶋さんはちゃんと大人なんだな
って思う。
同じ年の男子には感じられない余裕?みたいなものがある。
「だから、言わないでくださいね。」
「あ、うん。
でも・・・・。」
・・・・・??
川嶋さんは、考え込むように黙り込んでしまった。

