「あれ?
青山ちゃんは・・・?」
青山ちゃんの姿が見えない。
いつも、一番に事務所にきているのに。
「ああ、なんか・・・
妹が熱だしたとかで。」
「熱!?」
確か・・・
青山ちゃんには10歳も離れた高校生の妹がいる。
両親は、だいぶ前に亡くなったから、その妹と二人暮らしい。
青山ちゃんは「凛が一番可愛い!」というほどのシスコン。
しかも、二人しかいない家族だから、とっても大事にしてる。
その妹が熱だしたんだ。
遅れて当然だろう。
「それで、少し遅れると言っていた。」
「そうっすか。」
「今日は、原口が付き添うからな。」
「あ、はい。」
初日だから、青山ちゃんと挨拶したかったけど、仕方ない。

