コンコンッ



「お嬢様、お電話です。二階堂のお嬢様から…」




きっと避暑の電話だわ…


「はいはい」





























―前日








「きてくださって光栄です。藤堂様」



「……」




藤堂先生は頭を軽く下げた





「……この前のお話を聞きにきたんです。受けるかどうかはそれを聞いてから判断します」





横柄な態度…
いや堂々とした態度か。



「まぁ座って下さい…。父上」




キィとドアを開けて入ってきた




「こんにちは、藤堂様。久しぶり…と言った方がいいかな」



「お久しぶりです。雅昭様」




父…綾部雅昭はにこやかに笑った





「……驚いたよ。織人から話を聞いた時は、立派になったね?お爺様によく似ている…」


「ありがとうございます。」




「まぁ…世間話も程々にして率直に言おう。藤堂君」






父と藤堂先生は
知り合いらしい…




この前話したらそう
言っていたのだ



「……これはまだ、欠点の多い提案でね。…そのつもりで聞いてくれ―」






「はい、」







時計がゆっくりと時間を刻む








俺は黙って父と
藤堂先生のやりとりを聞いた




















話が終わり、
藤堂先生は腰を浮かした






「藤堂先生…。お暇なら避暑に参りませんか、瑠璃子さんも誘ってるのですが…」