『第3会議室』
プレートのあるドアの前で深呼吸をしてから扉をノックした。
中からガチャリとドアが開き、間延びした男性の声。
「はいは〜い」
「面接に伺った菊池です」
頭を下げて、視界に入った腕時計を見ると11時を少し過ぎている。
遅刻なんてありえないし……
「あぁ11時の。来ないと思ってた」
「彼女は時間通りに来てたよ」
男性はニッコリと笑ってくれたんだけど、言われた言葉に固りそうになった時、後ろから違う人の声が聞こえ、下げていた頭を上げると……
「あぁっ!」
「さっきはどーも」
1階で会った彼が居た……

