「波留さぁん!」
私の考えをよそに俊さんの叫び声が会議室に響き渡っていた。
結局、午前中に名字を呼んだ回数の多い人が明日の朝一番に会議室の掃除をするという罰ゲームで決定。
もちろん青……おっとっと、充君も反論せずなぜか俊さんに賛同した。
まぁ、新入社員に反論の余地なしっていうのが一番正しそうな気もするんだけど。
は、波留さんは……あれから机に突っ伏して仮眠中。
「一回寝たら起きないんだよなぁ、波留さん」
俊さんはブツブツぼやきながらも慣れているのか、傍にあった自分のジャケットを波留さんの肩にかけると同時に携帯が鳴りだし、慌てて離れていた。

